ラトビア出身の女性アニメ作家シグネは、自分を苦しめる心の病気が遺伝ではないかと疑っている。才女だったが時代と運命に弄ばれた祖母のアンナ、優しく多感な芸術家のミランダ、優秀だが高慢な医学生のリンダ、無口であどけない音楽教師のイルベ、そして分析的な主人公のシグネ。ラトビアのある一族に連綿と伝わる狂気の遺伝子と、それに翻弄される5人の女性の生き様が、主人公シグネの視点から、辛辣かつコミカルに描かれていく。
本作は監督シグネ・バウマネが、自らの一族に実際に起きた出来事や自身の経験を元に、精神疾患のリアルを赤裸々に描いた作品である。2014年の米国アカデミー賞外国語映画部門のラトビア代表作品に選出されたほか、国際映画批評家連盟賞をはじめとする数々の映画賞を受賞している。