製作の背景

 「ロックス・イン・マイ・ポケッツ」の製作には、大手映画会社は一切関与していません。本作はバウマネ監督が2013年にクラウドファンディングで出資者を募り、作品の趣旨に賛同した総勢800人の一般人から集められた5万780ドルを元に製作されました。

 本作が特徴とするきわどいテーマと個人的な物語が映像化できたのは、本作の製作が極めてインディペンデントな形で行われたからに他なりません。


母国での社会現象

 本作は最初に英語版が製作され、その後監督の母国であるラトビア向けにラトビア語版が製作されました。ラトビア生まれの監督がラトビアで起きた出来事を主に描いた作品ですので、ラトビア語版の製作は必然だったとも言えるでしょう。なお、日本版もラトビア語版をベースとしています。

 ラトビアで本作が公開されると、この映画は社会現象となりました。精神疾患をめぐるラトビアの状況は日本に少し似ていて、精神疾患のことを公に語るのは、半ばタブーに近いものだったのです。本作はその「語るべからざる雰囲気」を変え、人々が精神疾患について語りやすい土壌を作りました。


日本での扱い

 しかし、本作は日本人から見ると「どこにあるのかもよく知らない国の、変わったアニメーション映画」の1つでしかありません。海外作品にフォーカスした映画祭で数回上映されて好評を博したものの、商業的な上映はもちろん、DVDなどのソフト化もされることはありませんでした。

 その本作が配信のみとはいえ、日本語字幕付きで広く一般に配信されることになった経緯は、以下のサイトにまとめられています。